本気でトレーニングするなら、BCAAを
筋肥大でプロテインは今や常識。それ以外で差をつける、またはワンランク上を目指すにはBCAAを摂り入れるといいかもしれません。より強度の高い負荷をかけて筋トレを行う場合にはBCAAが効果を発揮。
【目次】
BCAAとは?
BCAAの効果
BCAAが含まれる食品一覧
BCAAの摂取タイミングはいつ?
こんな人にBCAAを
BCAAの摂取量について
サプリメントについて
・サプリメントの選ぶポイント
・サプリを摂る利点は?
・サプリメントを飲み続けても問題ない?
まとめ
BCAAとは?
筋トレを実施する上で欠かせない必須アミノ酸の一つ「BCAA」。筋肉などのタンパク質を構成しているのは20種類のアミノ酸。このアミノ酸のうち、体内で作り出せないため、食品から摂るべきものがあります。それを必須アミノ酸と呼び、BCAAもこの中に含まれる。BCAAは他の必須アミノ酸とは異なり、肝臓ではなく直接筋肉で代謝されるため、素早く筋肉に届く長所がある。
BCAAはバリン、ロイシン、イソロイシンの3種類の必須アミノ酸の総称で、分子の構造から分岐鎖アミノ酸(Branched-Chain Amino Acids)とも呼ばれている。BCAAは筋肉を構成するタンパク質の総アミノ酸量のうち約35%を占めており、筋トレ、筋肥大と深く関係している。
BCAAの効果
筋トレや筋肥大に深く関係している理由はBCAAの効果にある。
その効果とは
・筋肉の分解を抑え、筋タンパク質合成を促進
・疲労の軽減・回復
BCAAは筋肉を動かすエネルギー源
BCAAは筋トレや運動でエネルギー源となるグリコーゲンが減少すると、筋肉の中にあるBCAAが筋肉を動かすエネルギー源として使われる。そうなると筋肉自体が分解されてしまう。吸収が速いサプリを筋トレや運動前に摂取することで筋トレ中の消費を防ぐことができる。
筋肉の分解を抑え、筋タンパク質合成を促進
筋トレや運動によってBCAAが消費される。BCAAを摂取することにより消費されたBCAAを補充し筋肉の分解を抑制。
BCAAのなかでも筋合成で最も重要な働きをすると考えられているのがロイシン。ロイシンは筋タンパク質合成を促すシグナル伝達物質(エムトール)の働きを活性化させる効果がある。
エムトールは細胞内に存在しているタンバク質。何らかの刺激によってこの物質が活性化することで筋合成が活性化される。トレーニングによってエムトールの数自体が増えて活性化するが、栄養補給でも活性化を促せる。そのスイッチ役が主にロイシン。
疲労の軽減・回復
BCAAを摂取することで疲労感をもたらす脳内物質セロトニンの生成を抑制し、疲労の軽減や回復の効果が期待。
BCAAが含まれる食品一覧 1)
BCAA は良質なたんぱく質の中でも、肉や魚などの動物性タンバク質食品や乳製品に多い。
食品100gあたりの各含有量(g)
まぐろ赤身

BCAA | 4.5 |
バリン | 1.3 |
ロイシン | 2.0 |
イソロイシン | 1.2 |
かつお
BCAA | 4.0 |
バリン | 1.2 |
ロイシン | 1.8 |
イソロイシン | 1.0 |
サバ
BCAA | 3.63 |
バリン | 1.1 |
ロイシン | 1.6 |
イソロイシン | 0.93 |
鶏肉(胸肉)

BCAA | 4.2 |
バリン | 1.2 |
ロイシン | 1.9 |
イソロイシン | 1.1 |
鶏肉(もも肉)
BCAA | 3.8 |
バリン | 1.1 |
ロイシン | 1.7 |
イソロイシン | 1.0 |
豚ロース
BCAA | 3.65 |
バリン | 1.0 |
ロイシン | 1.7 |
イソロイシン | 0.95 |
牛肩ロース
BCAA | 2.8 |
バリン | 0.8 |
ロイシン | 1.3 |
イソロイシン | 0.74 |
糸引き納豆

BCAA | 2.89 |
バリン | 0.83 |
ロイシン | 1.3 |
イソロイシン | 0.76 |
鶏卵(全卵)
BCAA | 2.37 |
バリン | 0.76 |
ロイシン | 1.0 |
イソロイシン | 0.61 |
カマンベールチーズ

BCAA | 3.94 |
バリン | 0.94 |
ロイシン | 1.8 |
イソロイシン | 1.2 |
プロセスチーズ
BCAA | 5.1 |
バリン | 1.2 |
ロイシン | 2.3 |
イソロイシン | 1.6 |
BCAAの摂取タイミングはいつ?
食品によって消化吸収時間が異なりますが肉類で4~6時間、魚類で4~6時間、卵(鶏卵)で2~3時間かかります。サプリメントは30分程度。
トレーニング中はどんどん減っていくBCAAを補給する必要がある。そのため、筋トレをする際には消化吸収が速いサプリメントが最適。
BCAAは運動開始30分前に摂り、運動中も摂り続け、直後にもいい。直後に関しては筋トレで消費された筋グリコーゲンの回復を促進することで筋タンパク質合成の反応の低下を防ぐため。そのあとにホエイプロテインを摂る良いでしょう。
トレーニング以外の場合には起床時や寝る前に飲むのもあり。睡眠中は筋肉が分解されやすくなっている。寝る前にBCAAを摂取することで、筋肉の分解を最低限に抑えることが可能に。
こんな人にBCAAを
より高いレベルでの筋肥大を狙っている方に最適。ほかにもダイエット中の方にも適している。タンパク質合成を促進し筋肉量を増加させ、代謝を上げることが可能。また、減量中にも筋肉の減少を防ぐことが期待できる。
「若い頃より、筋肉がつかないな」と思っている方にも適している。年々、筋肉をつけやすい体の状態を維持するのは難しい。また筋肉量は減りやすくなってくる。BCAAの効果である筋肉の分解を抑え、筋タンパク質合成を促進の出番となる。
BCAAの摂取量について
1回の摂取量は目的や状況で異なりますが5 ~10g程度が目安。1日2~3回程度トレーニング前・中・後、就寝前や起床後などのタイミングで。1日の合計摂取量だと15~30g前後が目安。
サプリメントについて
BCAAがエネルギーに分解されやすい。筋肉を分解しつつ筋肥大を狙うのは、効率が悪い。サプリメントでBCAAを補い、筋肉の分解を避けましょう。BCAAは他の必須アミノ酸とは異なり、肝臓ではなく直接筋肉で代謝されるため、素早く筋肉に届く長所がある。
BCAAはタンパク質に含まれるアミノ酸。運動前や筋トレ前にお肉や魚が食べづらい、運動前に食事が摂りづらい方はサプリメントで補うことも一つの方法。手軽で消化吸収が食品よりも速い。
サプリメントの選ぶポイント
BCAAは3つの構成比、特にロイシンの割合が重要。
バリン・ロイシン・イソロイシンの比率は「1:2:1」が理想的。
味
BCAA自体は苦く飲みにくい。継続するなら、飲みやすいように加工されたタイプがよい。味はグレープフルーツなどもある。
配合成分
ビタミンが配合されているものも多い。その中でもビタミンB群が配合されているものがおすすめ。ビタミンB1、B6は、BCAA代謝を促す効果が期待。
安全性
品質管理がしっかりとなされているか、原材料はなにか、添加物はなにが入っているか、国内・国外どこで生産されたものかを確認しましょう。
価格
あまりに価格が高くても継続できなければ意味がありません。継続して摂取するため価格も重要。原材料の原産国が海外か国内かなどによっても価格が変わる。
サプリを摂る利点は?
BCAAが多く含まれる食品は、肉や魚などの動物性タンバク質食品や乳製品に多く、比較的高カロリーな食材に多い。サプリメントは余分なカロリーを摂らなくてすむし、精製されているので安心。タンパク質を構成する分子にまで分解されているので、消化・吸収が速い。
サプリメントを飲み続けても問題ない?
栄養が足りないと筋肥大は著しく起こりにくい。そのため、食事をバランスよく摂るのが前提。プラスで筋トレ前・中・後にサプリメントを利用するとよい。ただし、摂取量をしっかり守りましょう。サプリメントも食品なのだから安全性は確保されている。
BCAAは必須アミノ酸だから栄養の役割を持ち、筋疲労の予防に役立つ機能面も持っている。そのため、トレーニングをした日には摂取しておきたい。
まとめ
トレーニングで高強度の負荷をあと1回、2回、振り絞れれば、筋肥大に一歩近づくでしょう。間違ってはいけなのがサプリが筋肥大を起こすのではないということ。食事で栄養を摂り、サプリを味方につけ、トレーニングを行った結果、筋肥大をもたらす。
出典
1)「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」