〇マグネシウムの働きや効果、食品について知ろう
みなさん私たちの体内にどれくらいマグネシウムがあるか知っていますか。実は体内に約20~25gあるんです。そのうち約60%はカルシウムやリンとともに骨や歯を構成し、約30~40%は筋肉や脳、神経などに存在している。ビタミンと同様に体内で十分に合成することができないため、食事から摂る必要がある。
マグネシウムは体内のミネラルバランスを調整するうえで重要な成分。また、筋肉の収縮や神経伝達に関与し、300種類以上もの酵素の働きを助け、体内の代謝をスムーズにするという働きや効果がある。筋肉の収縮に関してカルシウムは筋肉の収縮に関与し、マグネシウムはカルシウムの細胞内濃度を調節し、細胞内のカルシウムを外にだすときに、筋肉が弛緩する。マグネシウムが不足すると、筋肉細胞にカルシウムが入り込み、どんどんたまり細胞の外へ出られなくなって、筋肉の収縮がスムーズにいかなくなってしまう。そのため、マグネシウムが不足すると、カルシウムを効率よく活用できません。
【目次】
〇マグネシウムの働きや効果、食品について知ろう
〇マグネシウムが多く含まれている食品と推奨量
〇マグネシウムと便秘の関係とは
〇マグネシウムが不足するとどうなるの?
〇マグネシウムを摂りすぎるとどうなるの?
〇サプリを活用!
〇マグネシウムが多く含まれている食品と推奨量

欧米型の食事より和食がおススメ!牛乳、乳製品はマグネシウムが少ないです。マグネシウムを効率よく補給することを考えると、欧米型の肉中心の食事より、マグネシウムを多く含む魚介、海藻、野菜、豆類のおかずが中心の和食がいい!
また主食を胚芽つきの主食でマグネシウム不足を解消しよう。主食を精白度の低い玄米、 胚芽米、 全粒粉バンなどにすることで、 さらにマグネシウム不足が解消できる可能性が高まります。
マグネシウムをどれくらいとったらいいの?と疑問に思っている人は多いのではないでしょうか。実は年齢別に推奨されている量が決まっています。1日のマグネシウムの推奨量1)で18~29歳男性では340㎎、30~49歳男性では370㎎、50~69歳男性では350㎎、70歳以上の男性では320㎎で、18~29歳女性では270㎎、30~69歳女性では290㎎、70歳以上の女性では270㎎と設定しています。食品別でマグネシウムが含まれている量を一覧で下の表にまとめていますので参考にしてください。
食品100gあたりに含まれているマグネシウムの含有量2)
食品名 | 含有量(mg) |
---|---|
刻み昆布 | 720 |
アーモンド(いり、無塩) | 310 |
油揚げ(生) | 150 |
玄米(水稲穀粒) | 110 |
糸引き納豆 | 100 |
全粒粉(ライ麦) | 100 |
あさり | 100 |
いくら | 95 |
ほうれん草 | 69 |
バナナ(生) | 33 |
〇マグネシウムと便秘の関係とは

便秘薬として使われているマグネシウムの効果はどういったものなのでしょうか。まず、便秘の原因はさまざまですが食生活や生活習慣が大きく関係しています。そのひとつに水分不足。マグネシウムは体内で吸収されにくく、水を集めやすい物質に変化し、水分を集めて便を軟らかくします。また、腸内に水分を集めて内容物を膨らませます。その刺激で腸が動いて排便を促します。水分をとり、食材に含まれているマグネシウムを有効に活用し、便秘を解消できるかもしれません。
〇マグネシウムが不足するとどうなるの?

マグネシウムが不足すると、心臓病や高血圧のリスクが高くなったり、イライラしやすくなったりします。また、骨粗鬆症やこむら返り、筋肉の痙攣を起こしやすくなったりします。
特に不足が心配されるのは、激しい労働をする人、お酒をたくさん飲む人、高齢者、妊婦、授乳婦、加工品や清涼飲料水をたくさん摂る人。加工食品や、清涼飲料水にはマグネシウムの吸収を妨げるリンを多く含みます。マグネシウムはカルシウムとの関わりが深く、マグネシウムが不足すると、カルシウムを効率よく活用できません。牛乳や乳製品をたくさんとる人は、カルシウムの摂取量に比例して、マグネシウムの摂取量を増やしましよう。マグネシウム:カルシウム=1:2が理想の摂取バランス。
〇マグネシウムを摂りすぎるとどうなるの?
マグネシウムを多く摂りすぎると、下痢や吐き気、嘔吐などの症状がでます。また血中のマグネシウム濃度が異常に高くなる高マグネシウム血症を起こすことがあります。そのため、血圧低下や意識障害、不整脈が起こる可能性があります。特に、腎障害のある方ではマグネシウムを尿から十分に排泄できないので注意する必要。サプリメントの大量摂取でなければ食事から普通にとっていれば心配ありません。
〇サプリを活用!

マグネシウムはカルシウムとの関わりが深く、マグネシウムが不足すると、カルシウムを効率よく活用できません。そのため理想のバランスの目安がマグネシウム:カルシウム=1:2の割合です。なかなか1:2との割合が食品や料理で調整するのが難しい方はカルシウムやマグネシウムのサプリで補うのがおススメ。中にはマグネシウム:カルシウム=1:2の割合で含有しているサプリもあれば、身体の成長に欠かせない亜鉛と、カルシウムの吸収を助けるビタミンDも含まれているサプリもあるので自分に必要なものを選びましょう。
出典
1)日本人の食事摂取基準(2015 年版)総論 ミネラル(多量ミネラル) 厚生労働省(PDF)