ビタミンはカラダの調子を整えてくれる必要な栄養素。そのため、不足するとカラダの調子が悪くなったり、病気になりやすくなってしまうおそれがある。ほとんどがカラダの中で作ることができないため、食品からとること重要。ビタミンには13種類あり、それぞれ働きや効果が違います。ここではビタミンAについてご紹介。健康のために運動や筋トレを継続するためにも毎日の体調管理が大切。ビタミンAには風邪やウイルスによる体調不良を防ぐ効果があるので必見。
【目次】
〇ビタミンAとは?(レチノールとβ-カロテン)
〇ビタミンAの働きや効果について知ろう
〇ビタミンAが多く含まれる食品をご紹介
〇じょうずなとり方
〇ビタミンAを過剰にとるとどうなるの?
〇ビタミンAが不足するとどうなるの?
〇ビタミンAのサプリについて
〇ビタミンAとは?(レチノールとβ-カロテン)
ビタミンAは油に溶けやすい脂溶性のビタミンの1つ。大きく分けて2種類ある。それは「レチノール」と「β-カロテン」。レチノールは動物性の食品に含まれ、はじめからビタミンAの形で存在。β-カロテンは植物性食品に含まれ、緑黄色野菜に含まれる色素。カラダの中で必要量だけビタミンAに変わり、プロビタミンA(ビタミンA前駆体)と呼ばれている。
〇ビタミンAの働きや効果について知ろう
・目の健康を保つ
・皮膚や粘膜を強化⇒菌やウイルスからカラダを守る
・β-カロテン⇒抗酸化作用があり、がん・動脈硬化を予防
目の健康を保つ
光を感じるのに必要な色素が目の網膜にある。それがロドプシン。ロドプシンはビタミンAとタンパク質でできている。また、色を見る力にも関わっている。ビタミンAをとることでロドプシンをつくる材料となり、目の健康を保つ。
皮膚や粘膜の強化
菌やウイルスなどの病原体の侵入を防ぐには、手洗いやうがいが大切ですがそれでもカラダの中に入ってきてしまう。入ってきたウイルスなどをブロックしてくれるのが目や鼻、のどの粘膜。粘膜が傷ついたり、乾燥しているとウイルスが侵入しやすくなってしまう。ビタミンAは粘膜のスムーズな生まれ変わりを促し、粘膜を強化してくれるのでウイルスからカラダを守る働きをしてくれる。
β-カロテン⇒抗酸化作用
ビタミンAに変換されないβ-カロテンには抗酸化作用を持ち、カラダに悪影響を及ぼす活性酸素を抑制し、動脈硬化やがんの予防、老化の抑制に効果がある。
〇ビタミンAが多く含まれる食品をご紹介
レチノールは動物性食品であるレバーや魚介、β-カロテンは植物性食品である緑黄色野菜や果物に多い。
食品一覧 1)
<レチノール>
・肉類

食品名 | 100gあたりに含まれる含有量(μg) |
---|---|
鶏レバー | 14000 |
豚レバー | 13000 |
牛レバー | 1100 |
・魚介類

食品名 | 100gあたりに含まれる含有量(μg) |
---|---|
ゆでホタルイカ | 1900 |
ウナギの蒲焼 | 1500 |
あなご 蒸し | 890 |
しろさけ スジコ | 670 |
<β-カロテン>
・野菜

食品名 | 100gあたりに含まれる含有量(μg) |
---|---|
しその葉 生 | 11000 |
モロヘイヤ 生 | 10000 |
ニンジン 油炒め | 9900 |
ほうれん草 油炒め | 7200 |
西洋かぼちゃ 焼き | 5400 |
・果物

食品名 | 100gあたりに含まれる含有量(μg) |
---|---|
ドライマンゴ | 5900 |
ドライアプリコット(乾燥あんず) | 4800 |
メロン 赤肉種 (露地) | 3600 |
ドライプルーン | 1100 |
〇じょうずなとり方
ビタミンAをじょうずにとる方法は「レチノール」と「β-カロテン」と分けて説明。その理由はそれぞれに特徴があるから。それぞれの特徴を知り、ビタミンAをうまくとりましょう。
レチノール
動物性食品に多く含まれるビタミンA(レチノール)は、どのような食べ方でも吸収される。その中でも脂溶性ビタミンであることから揚げる、炒めるなど油を使った調理でとると吸収がアップ。
β-カロテン
β-カロテンがビタミンAとして吸収されるのは、レチノールより少なく、その量は3分の1程度。β-カロテンを多く含んでいる緑黄色野菜をとる場合は、推奨量の2~3倍を目安にとるのがよいでしょう 。おススメの調理方法は油で揚げる、炒める、ドレッシングやマヨネーズをかけるなど油と一緒にとると吸収率がアップ。
相性の良い栄養素
ビタミンAと一緒にとると効果的な栄養素が「タンパク質」「ビタミンE」。
カラダのすみずみまでビタミンAを行き渡らすためには、タンパク質が不可欠。そして、ビタミンEは、ビタミンAの酸化防止の役割がある。おススメは肉や魚などタンパク質と緑黄色野菜を使用した食材での調理。例えば「鶏肉とほうれん草のバターしょうゆ炒め」は鶏肉でタンパク質、ほうれん草でβ-カロテンをとることができ、バターの油脂で炒めるため効果的に摂取できるおススメ料理。
〇ビタミンAを過剰にとるとどうなるの?

・頭痛
・嘔吐
・疲労感
・発疹
・脱毛
・妊娠初期にとり過ぎると、胎児の奇形や流産の発生率が高くなる
ビタミンAは脂溶性ビタミンであり、カラダの中で蓄積しやすいため、とり過ぎには注意しましょう。レバーなど動物性食品に含まれるレチノールは、とり過ぎると水に溶けずに肝臓に蓄積されるため、過剰に注意。過剰にとった場合は上記の症状がでる可能性があります。一方で植物性食品に含まれるβ-カロテンは、カラダの中で、必要に応じてビタミンAに変換される。そのため、過剰症になる心配はありません。
・耐容上限量 2)
成人男性と女性ともに2700μg
〇ビタミンAが不足するとどうなるの?
・視力低下
・ドライアイ
・乾燥肌
・脱毛
・風邪や肺炎にかかりやすい
ビタミンAの働きはご紹介したように「目の健康を保つ」「皮膚や粘膜を強化⇒菌やウイルスからカラダを守る」「β-カロテン⇒抗酸化作用があり、がん・動脈硬化を予防」があり、不足するとこれらの働きが弱くなってしまう。
ビタミンAは全身および、皮膚や目の角膜、粘膜を強化してくれるため、不足するとドライアイや乾燥肌になってしまいます。また、粘膜が傷ついたり、乾燥しているとウイルスが侵入しやすくなってしまうので、風邪や肺炎などにかかりやすくなってしまうので注意。
・推奨量 2)
成人の男性で800~900μg。成人の女性で650~700μg。
〇ビタミンAのサプリについて
ビタミンAのサプリの含有量は商品ごとに単位が違う。単位の種類や換算方法を以下に紹介。また原材料は植物性食品由来であるβ-カロテンが多いですが海外の商品などは動物性食品由来のものもあるため、とり過ぎには注意が必要。原材料またはビタミンAの種類をチェックしましょう。
含有量と単位について
サプリメントに含まれているビタミンAの量を表記する単位にはいくつかある。商品によって表記が異なる場合があるのでしっかりおさえておきましょう。
以前はIUが使われていたが、現在は「μg」または「mg」と表記。
ビタミンAのサプリはβ-カロテンが使用されているものがほとんど。そのためビタミンAの種類で「β-カロテン」と書かれていることが多い。β-カロテンの量の表記の場合も「μg」または「mg」と記載されている。「1mg=1000μg」になるので商品ごとに異なる単位をチェックして、必要量を見極めましょう。
β-カロテンとレチノールの量を比較したいときは以下のような換算を参考にしてください。β-カロテンの量が12 μgはレチノール1μg分として換算されます。つまり、β-カロテンが1200μgではレチノール100μgに相当します。
また海外の商品であると「IU」が表記されているものもある。その場合は「1IU=0.15μgRAE」となりますので計算し、含有量をしっかり確認しましょう。
安全性
口に入れるものであるために、まずは安全なことが前提。品質管理がしっかりとなされているか、原材料はなにか、添加物はなにが入っているか、国内・国外どこで生産されたものかを確認しましょう。原材料が動物性食品由来の場合はとり過ぎに注意が必要。含有量と一緒にチェックを。
出典
1) 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
2) 日本人の食事摂取基準(2015 年版)の概要