〇亜鉛について知ろう

亜鉛と聞いて皆さんどんなイメージがありますか。一般的に食品で牡蠣(カキ)に含まれているというイメージが多いのではないでしょうか。では亜鉛の働きや効果はどうでしょう。カラダにはいいのはわかるけど具体的には・・・。実は亜鉛には多くの働きや効果があるんです。知っておいて損はありません。
亜鉛は成人の体内に約2g含まれ、血液や皮膚に多く存在するミネラル。その割合は約50 %が血液に、 約30 %が前立腺や脳など各組織に、 約20 %が皮膚にあります。
亜鉛の働きや効果
亜鉛が含まれている食品一覧
亜鉛を手軽にとるには?コンビニ食品紹介
亜鉛の摂取量
亜鉛不足をチェック
亜鉛の過剰摂取や副作用
亜鉛のサプリ おススメ
〇亜鉛の働きや効果

亜鉛は、カラダの中の古いものがだんだんと新しいものに入れ替わる新陳代謝やエネルギーの獲得、転換、貯蔵などのエネルギー代謝、免疫反応など、体内のさまざまな働きをサポート。
タンパク質の合成を助ける
亜鉛はタンパク質の合成に関わる酵素の働きを助ける作用があります。タンパク質は筋肉や皮膚、髪などカラダの組織をつくるために必要です。そのためタンパク質と合わせて亜鉛を摂取すると効率がよい。また亜鉛はビタミンCとともにコラーゲンの生成にも関わります。
筋肉の維持・成長
筋肉の維持・成長には、男性のテストステロンや女性のエストロゲンといった性ホルモンが関わっています。この性ホルモンの正常な分泌に欠かせないミネラルが亜鉛。
抗酸化作用
運動するとカラダに有害な活性酸素が発生し、亜鉛はそれを処理する抗酸化作用に関わります。また抗酸化力が強いビタミンAを活性化してくれる。
新陳代謝up
亜鉛は200種類以上の酵素の働きに関わっています。そのため新陳代謝を助けて傷の治りを早めてくれます。ハードな筋トレを行った際に損傷した筋の修復や傷口に塗る軟膏に亜鉛が配合されるものもあります。また免疫を担う白血球の成分でもあるので免疫力向上にも効果あり。
味覚
舌で味覚を感じる細胞の入れ替わりを助ける作用。味覚は舌の表面にある味蕾という味細胞で感じ取っている。亜鉛が不足すると、通常は約30日で生まれ変わる味細胞が正常に維持されず、味覚が変わったり味を感じ取れなくなってしまいます。
DNAやRNAの合成
亜鉛はDNAやRNAの合成に必要です。不足すると DNAの遺伝子情報がコピーできなくなり、細胞分裂にも支障が出ます。
〇亜鉛が含まれている食品一覧

亜鉛の働きや効果がこんなにあったのかと気づいた方は多いのではないでしょうか。亜鉛を摂ろうと思った方はどんな食品に亜鉛が含まれているかを知りましょう。なぜならミネラルである亜鉛はビタミンと同様に体内で作ることができないため食事からとる必要があるからです。亜鉛は肉・魚介類、穀類、種実類などの食品に多い。下の表に亜鉛が多く含まれている食品と100gあたりの含有量の一覧にしています。
食品100gあたりの亜鉛の含有量1)(mg)
食品名 | 100gあたりの含有量(mg) |
---|---|
牡蠣(カキ)養殖、水煮 | 18.3 |
牡蠣(カキ)養殖、生 | 14.5 |
牡蠣(カキ)養殖、フライ | 11.9 |
小麦/胚芽 | 15.9 |
ぼら/からすみ | 9.3 |
牛/ビーフジャーキー | 8.8 |
豚/スモークレバー | 8.7 |
牛ひき肉/焼き | 7.6 |
ナチュラルチーズ/パルメザン | 7.3 |
かたくちいわし/煮干し | 7.2 |
亜鉛の上手な食べ合わせ

亜鉛はクエン酸やビタミンCと一緒にとると吸収率が高まるため、魚は酢締めにする、肉や牡蠣(カキ)を食べるときにレモンをかけると吸収率がアップ。逆に吸収を妨げるのがインスタント食品やスナック菓子。これらの添加物に使われるポリリン酸は亜鉛の吸収を妨げるため、食べ過ぎないようにしましょう。
またビタミンAも亜鉛の吸収を高めてくれます。そのため、抗酸化作用の働きをよくし、筋組織の修復に効果的。ビタミンAが多い食品は豚・鶏レバーやうなぎ、にんじん、かぼちゃなどの緑黄色野菜に多い。
〇亜鉛を手軽にとるには?コンビニ食品紹介

身近ですぐにいけるコンビニにも亜鉛が含まれている食品はあるのでしょうか。今やコンビニはさまざまなジャンルの食品を揃えており、身近で手軽に購入することができます。上記の亜鉛が多く含む食品でご紹介した肉類、穀類、種実類の食品が置いてあるところが多いでしょう。肉類であればビーフジャーキーが置いてあれば手軽に亜鉛の摂取が可能。穀類である小麦胚芽は亜鉛が多く含まれているので全粒分のパンを選ぶと、小麦胚芽を手軽に摂れます。種実類であれば、アーモンド、ゴマなどが含まれている食品を選びましょう。例えばアーモンドチョコレート、飲料タイプの飲むアーモンド、デザートやお弁当でゴマがかかっているものがおススメです。

〇亜鉛の摂取量

亜鉛の1日の摂取推奨量2)は18~69歳の男性で10mg、70歳以上の男性で9mg、18~69歳の女性で8mg、70歳以上男性で7mgとなっています。耐容上限量は18~29歳の男性で40mg、30~69歳の男性で45mg、70歳以上の男性で40mg、18歳以上の女性で35mgと設定されています。
こんな人におススメ
運動・トレーニングをする人
亜鉛は発汗で失われやすいので、ハードなトレーニングや運動をする場合は、多めに摂取すると良い。
成長期のお子さん
亜鉛の働きや効果でご紹介しましたがカラダの組織を構成するタンパク質の合成を助けるのが亜鉛です。そのため成長期のお子さんには必要な栄養素になります。
〇亜鉛不足をチェック
亜鉛が不足すると亜鉛の働きや効果のところでご紹介した味覚やタンパク質の合成に影響。「味を感じない」若者が増えているようですが、その原因の一つが亜鉛不足。亜鉛は細胞分裂に深く関わっているミネラル。不足すると味覚障害、皮膚や粘膜の乾燥、生殖機能の低下、貧血といった不調が表れます。また白血球の成分でもあるため、亜鉛が不足すると免疫機能の低下が起こる可能性が高まります。そのため、亜鉛が不足になっていないかチェックする必要があります。亜鉛不足の一番わかりやすいサインは、爪に白い斑点がみられる。
自分の食生活をチェックしましょう。ファストフードや加工食品に偏った食事を続けていると、亜鉛不足に陥りやすい。亜鉛を含む食品を参考に自分の食生活に亜鉛をとり入れましょう。
チョコの食べ過ぎで亜鉛が不足しているかも・・・チョコに含まれている銅が関係
カカオに含まれているポリフェノールにはさまざまな健康作用が期待されています。例えば、血管をひろげ血圧を低下させる、強い抗酸化力、活性酸素の働きを抑えるなど。
ハイカカオチョコは確かにカラダに有用ですが、食べすぎは禁物。なぜならチョコレートには銅が含まれているからです。
カルシウムとマグネシウムがバランス良く摂取するのと同様に、銅は亜鉛と関係しています。そのためどちらかが増えすぎるとどちらかが不足することになります。銅と亜鉛のバランスが大切。アーモンドチョコレートはアーモンドに亜鉛が、チョコレートに銅が含まれている食品になります。

〇亜鉛の過剰摂取や副作用

どの栄養素もそうですが不足と過剰はカラダによくありません。亜鉛の場合も同様。日常的に亜鉛を多く含む食品を摂取している人やサプリメントの飲みすぎに注意が必要です。過剰に摂取してしまうと吐き気、下痢、免疫障害、上腹部痛、消化管過敏症などが起こる可能性があります。
〇亜鉛のサプリのおススメ

サプリメントは手軽で短時間で摂取ができ、余分なカロリーとらなくてもすみます。
サプリメントはいろんな種類があってどれを選んだらいいか悩む方も多いのでは。簡単にポイントをご紹介。
・内容成分と量の組み合わせ
まず亜鉛がどれくらい入っているかは必ず確認しましょう。成分表がラベルに貼っているため確認を。また亜鉛の上手な摂り方のところでご紹介した亜鉛と一緒に摂取すると相乗効果が期待できる、ビタミンCやビタミンAが含まれているものがおススメです。補助成分もチェックしてみましょう。
・安全性
口に入れるものであるために、まずは安全なことが前提です。品質管理がしっかりとなされているか、国内・国外どこで生産されたものか確認しましょう。
・価格
あまりに価格が高くても継続できなければ意味がありません。継続して摂取するため価格も重要です。同じ亜鉛サプリでも価格に違いがあるのは素材や含有量で値段は変わります。その他に原材料の原産国が海外か国内かなどによっても価格が変わります。
出典
1) 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
2) 日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要